POLE PIECES MAP


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< Pole Pieces > 2012〜


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Statement

「ポールピース(Pole Pieces)」とは、車止めなどのポールに対して、それに設置することを目的に作られたモノ(作品)を指した私自身の造語です。

美術作品が設置され得る、より適した場所と言えば、普通は美術館やギャラリー、駅前などのパブリックスペースなどがあげられるでしょう。それが屋内であれ屋外であれ、基本的には作品を設置するために整備された場所であることには違いはありません。
ポールは路上を整備するためのものではありますが、もちろん美術作品を設置するためにそこにあるわけではありません。今回、私はこれを半ば拒否してみようと思います。「ポールは作品を設置するためにそこにある」と思い込んでみるのです。

「ポールピース」を作 る時には、設置されるポールの存在を必ず前提としています。これには美術家が作品を作る時に、作品を設置するために整備された場所、 いわゆる「ホワイトキューブ」と呼ばれる特有の場を漠然と前提としていることと、多少似通った仕組みがあると言えるでしょう。
かつてアンソニー・カロ(Anthony Caro)という彫刻家は、テーブルの上という限定された場所に設置するための「テーブルピース(table pieces)」と呼ばれる彫刻作品のシリーズを制作しました。私は、今回の作品を構想するにあたり、このシリーズからインスピレーションの一部を受け取 りました。しかし、より注目したのは上に乗るピースの方ではなく、テーブルの方なのだと言えます。
作品が設置される場所としてのポール、それは通常の機能を前提とした場合のそれと、どのように違うのでしょうか。通りすがりの歩行者やドライバーにとって、通常の状態のポールと、作品が設置されたポールとでは、なにがどう変化して見えるのでしょうか。ポールにモノ(作品)を設置するということは、誰に対してどんな意味を持ち得るのでしょうか。

路上に点在するポール は、殆どの場合そのままの状態で自明な機能を持っていて、それは車両や自転車または歩行者の進入を妨げるためであったり、通行する車両が建築物に衝突する のを防止したり、なにかを警告するためであったり、または車道と歩道を隔てて車両から歩行者を保護する目的を持っていたりします。
言うまでもありませんが、ポールはそもそも、その上に何かを設置することを前提に作られたものではありません。それを踏まえた上で敢えて言うと、 ポールピースとは、ポールが元々持っているそうした機能を損なわず、その機能にさらに上書きを加えることでもあるのです。
それはポールそのものを、鑑賞する対象にしてしまうということです。つまり「ポールの作品化」であり、もっと言えば「路上の美術館化」であるとも言えるのです。
これは、同一のポールあるいは路上を「多重化」してしまうということを意味しています。
料理が並び家族団欒の場を担った食卓が、時には受験生のための勉強机なったり、また別の時には、絵を描くための作業机になったりと、同一の机であるにも関わらず、その都度その用途が変化し、多重化するのと似ていると言えるのではないでしょうか。

次に、ポールとそれが設置されている場所に注目してみます。
ポールの多くは、路上や、その端、何らかの境界線上に設置されていることが多く、それらを大きく分類すると二通りになり、公共空間と私有地とに分けることができるでしょう。
もしポールの前をただ通り過ぎるだけならば、そのポールが「官製」か「私製」か、などという分類は無意味です。しかしポールはその中間に位置することが多く、さらに、それ自体に作品を設置するとなると、これは尚のこと大きな意味を持ちます。
単純に「ポール」と一言で括ってしまえば、そのまま同一の文脈の中に収められそうなものですが、それが「どこに」あるいは「誰によって」設置されたかとい うことに注目すると、途端に帰属先がバラバラに分断されてしまいます。例えば幾つかのポールがあったとして、それらがすべて私製だとしても「あのポールは 山田さんので、このポールは鈴木さんの、そっちのわからない」といった具合に単純に二分割でもないのです。ポールと、それが設置されている場所との関係には、そんな複雑さが潜んでいるのです。

最後に、ポールピースそのもの、つまりポールの上に設置されるモノ(作品)についてですが、これは私としてはなんでもよいと考えています。人目を引いた り、引かなかったり、大きかったり、小さかったり、美しかったり、醜かったり、本当になんでもよいのです。重要なのは、少なからず誰かがそれを発見するこ とで、「愉快」とか「可愛い」とか「邪魔」などの何かを感じることです。そしてさらに、無視したり、いたずらしたり、撤去したり、時間の経過と共にポールを巡って何かが進行することにこそ私の本当の狙いがあるのです。




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